佐藤聖二先生のブログ太気拳(意拳)拳学研究会が3月いっぱいで閉鎖されるという。と言ってもネガティブな理由ではなく、書籍にまとめられるからだ。
佐藤先生がブログに書き残した遺稿が書籍になることは、日本の武術界にとって大きな財産になるだろう。
僕は佐藤先生の生徒でも太気拳・意拳の修行者でもないが、15年ほど前に先輩に連れられて佐藤先生の稽古会にお邪魔し、一度だけお会いしたことがある。
当時は格闘技至上主義で武術全体をインチキで弱く役に立たないものと思い込んでいた頃であったが、佐藤先生の独特の動きと迫力に目を奪われ認識を改めさせられたことを昨日のように思い出す。
その後武術にハマっていったが、意拳ではない武術を習っていたため、佐藤先生とお会いすることはなかった。
それから何年も経ってこのブログの存在を知り、密かに尊敬する先生の武術論を勉強させていただいていた。
先生が亡くなられてからも折に触れて読み返し、このブログから多くのヒントをもらっていた。
このブログの最後の投稿は「アーチ型の骨格構造と動きについて」。佐藤先生も書かれているようにアーチの身法はあらゆる武術に共通したものであり、刀禅も基本の立ち方からアーチ型を強く意識しなければならない。足の甲のアーチ、膝のアーチ、胯のアーチ、胸背のアーチ肘のアーチなど、身体中にアーチ構造を作り積み上げていく。
感じては消えてゆくアーチの感覚が少しずつ明確に持続できるようになっていくと、まだまだ奥深い世界の入り口にしかいないことを再認識させられ愕然となるが、それに楽しさを感じて下手の横好きが継続していまに至る。
とにかく佐藤先生のブログが書籍にまとまることは喜ばしいばかりである。ブログは無料で読めるが、順序立てて読もうとすると辛い面もあるので書籍化は大歓迎だ。
唯一の心配は武術以外の記事はどうなるかということだ。料理などの記事も面白いのでブログ閉鎖とともになくなるのはちょっと寂しいのでなんとかどこかで保存公開されることを希望する。